「クラウドって何ですか?」
IT営業をしていると、かなりの頻度で出てくる質問です。
でもこの問いに対して、
- 雲のマーク
- インターネット上
- サーバーを持たなくていい
と答えてしまうと、話は分かったようで、何も整理されません。
なぜなら、クラウドの本質は技術でも場所でもないからです。
クラウドは「場所」ではない
まず、一番多い誤解から外します。
クラウド = どこか遠くにあるサーバー
これは、説明としては便利ですが、理解としてはズレています。
クラウドの本質は、「サーバーがどこにあるか」ではなく「ITをどう持ち、どう使うか」という 考え方 です。
クラウドとは何か(定義)
クラウドとは、
ITを「所有する」のではなく、必要な分だけ「利用する」という使い方
です。
もう少し噛み砕くと、
- 先に設備を買わない
- 最大容量を想定して用意しない
- 必要になったときに必要な分だけ使う
という発想。
つまりクラウドは、技術名やサービス名ではなく、ITとの付き合い方そのものです。

なぜ「所有しない」という考え方が必要になったのか
クラウドは、新しい技術が突然生み出したものではありません。
背景にあるのは、ビジネス環境の変化です。
- 需要が読めない
- 事業の立ち上げが速い
- 使う量が月ごとに変わる
- サービスがすぐ終わることもある
この状況で、
- 最初にサーバーを買い
- 最大構成を前提に設計する
というやり方は、リスクが高すぎるようになりました。
そこで生まれたのが、
「先に持たず、必要になったら使う」
という発想です。
クラウドが変えたのは「ITの性能」ではない
よく誤解されがちですが、クラウドが変えたのは、
- サーバーが速くなった
- 技術がすごくなった
という話ではありません。
クラウドが変えたのは、
- いつ用意するか
- どこまで用意するか
- 誰が持つか
という ITの持ち方・考え方 です。

クラウドは「ITを楽にする魔法」ではない
ここは、IT営業として必ず押さえておきたい前提です。
クラウドは、
- 業務を自動で改善する
- 判断を代わりにしてくれる
魔法ではありません。
クラウドがやっているのは、
ITを使いやすい状態を用意すること
だけ。
- どの業務を変えるか
- 何を効率化するか
- どう運用するか
これらは、人と組織の仕事です。
IT営業の会話ではどう使うか
営業として、クラウドを語るときに一番大事なのは、クラウドかどうかではなく
- なぜその使い方が必要なのか
を整理すること。
たとえば、
「クラウドにしたい」
と言われたとき、
コストの話なのか
スピードの話なのか
運用負荷の話なのか
を分けて聞けるかどうか。
クラウドは、答えではなく、選択肢です。

この知識の立ち位置
この記事は、「クラウドのサービスを覚えるため」ではなくクラウドという考え方を正しく理解するための記事です。
ここが腹落ちすると、
- IaaS
- PaaS
- SaaS
といった話も、同じ地図の上で整理できるようになります。
次の記事へのつなぎ(1行だけ)
次の記事では、この クラウドという考え方を具体的に実装した代表例 として、AWSを取り上げます。
そこで初めて、
- 何を提供しているのか
- 何をしてくれないのか
を、構造的に整理していきます。

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