──全部を載せなくていいという前提
クラウドの話をしていると、今でもこんな空気を感じることがあります。
- 「将来的には全部クラウドですよね」
- 「オンプレはもう古いですよね」
でも2025年の現実は、この考え方から 一段進んでいます。
全部クラウド化は、もはや前提ではありません。
なぜ今もこの話が重要なのか
理由はシンプルです。
- クラウドは成熟した
- 選択肢が増えた
- 運用コストや人材の現実が見えてきた
結果として、「何を載せるか」より「何を載せないか」を判断できるかが、重要になっています。
現在の主流は、
ハイブリッド前提
(クラウド × オンプレ × SaaS)
クラウドは「向き・不向き」がある
まず大前提として、クラウドは万能ではありません。
これは欠点ではなく、性質の違いです。
ここからは、クラウドに“向きにくい”代表的な業務を整理します。
① 変化がほぼない業務
一番分かりやすいケースです。
- 処理内容が固定
- 利用量も変わらない
- 今後も大きな変更予定がない
こうした業務では、
クラウドの「柔軟性」がほとんど活きません。
オンプレのように、
- 先に用意して
- 長く安定して使う
という構造の方が、結果的に合理的な場合があります。

② 超低レイテンシが必須な処理
次に多いのがこのケース。
- ミリ秒単位の応答が必須
- 通信遅延が直接品質に影響する
- 現場制御・リアルタイム処理
こうした業務では、
物理的な距離がそのまま性能に影響します。
クラウドは、
- ネットワークを介する
- 地理的距離が必ず存在する
ため、オンプレやエッジ処理の方が合うケースが普通にあるというだけの話です。

③ 設備を「使い切る」合理性があるケース
これは見落とされがちですが、現場ではとても重要です。
- まだ償却が終わっていない
- 最近更新したばかり
- 運用体制がすでに整っている
こうした状況で、
無理にクラウドへ移行する理由はない
ことも多い。
クラウドは、
- 新しく始める
- 変えていく
ときに力を発揮します。
「今あるものを捨てる理由があるか」
は冷静に考える必要があります。
「向いていない」=「ダメ」ではない
ここで一番伝えたいのは、この点です。
クラウドに向いていない= 時代遅れ
ではありません。
向いていない業務を無理に載せると、
- コストが上がる
- 運用が複雑になる
- 期待外れになる
というズレが生まれます。
IT営業としての判断ポイント
営業として重要なのは、「クラウドを勧める」ことではなく、
クラウドに向くかどうかを一緒に整理すること
です。
最低限、この3点を確認できれば十分です。
- 変化はどれくらいあるか
- レイテンシ要件は厳しいか
- 既存設備を捨てる理由はあるか

ハイブリッドが「普通」になった理由
2025年現在、
- 全部クラウド
- 全部オンプレ
どちらも極端な選択になりつつあります。
現実的なのは、向いているものだけクラウドに載せるという設計。
これがハイブリッド前提が一般化した理由です。
さいごに
「全部を載せなくていい」と分かった瞬間、クラウドの議論は一気に健全になります。
目の前にお客様にメリットが無いものは売ってはいけないのです。

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