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2-9)クラウドは「安くなる」ものではない──コスト神話が残り続ける理由

2-9)クラウドは「安くなる」ものではない──コスト神話が残り続ける理由

クラウドの話をしていると、今でもこんな言葉を耳にします。

「クラウドにすればコスト下がりますよね?」

「オンプレより安くなりますよね?」

この認識は現場から完全には消えていません。

この期待をそのまま受け取ると、クラウド導入の議論はほぼ確実にズレます。

目次

なぜ今も「クラウド=安い」という誤解が残るのか

クラウドが広がり始めた頃、確かにこういう文脈がありました。

  • 高価なサーバーを買わなくていい
  • 初期投資が減る
  • すぐ始められる

この話が、「安くなる」という一言に雑に要約されてしまった。

そのイメージが、今も残り続けています。

クラウドで本当に変わったのは「価格」ではない

結論から言います。

クラウドで変わったのは、値段そのものではなくお金の“持ち方”です。

固定費から変動費へ、という構造変化

オンプレミスでは、

  1. サーバーを先に買う
  2. 最大利用を想定して用意する
  3. 使っていなくてもコストは発生する

という構造でした。

これは、固定費前提のITです。

一方クラウドは、

  1. 先に持たない
  2. 使った分だけ払う
  3. 使わなければ減る

という構造。

これは、変動費前提のITです。

オンプレとクラウドのコスト構造

クラウドは「コスト制御の自由度」が上がっただけ

ここが一番大事なポイントです。

クラウドは勝手に安くしてくれる仕組みではありません。

クラウドが提供しているのは、

  • 使う量を選べる
  • 減らす判断ができる
  • 構成を変えられる

というコストをコントロールする自由

使い方を誤ると高くなるのは「自然」

クラウドでコストが高くなるケースは、珍しくありません。

たとえば、

  • 使っていないリソースを止めない
  • ピーク前提の構成をずっと維持する
  • 「とりあえず便利だから」で増やす

これはクラウドの欠点ではなく、判断しなかった結果です。

オンプレでは見えにくかった無駄が、クラウドでは見える化されただけとも言えます。

クラウドコストが増える典型パターン

だからFinOpsの話が出てくる

2025年以降、クラウドの現場でよく聞く言葉が「FinOps」です。

これは、

クラウドコストを技術ではなく運用と判断で管理する考え方

つまり、

  • いくら使っているか
  • なぜ使っているか
  • 減らせる余地はあるか

を、継続的に見る前提に立っています。

FinOpsが必要になるのは、クラウドは放っておくと最適にならないからです。

IT営業として、どう使う話か

営業として大事なのは、こう言い切ることではありません。

  • 「安くなります」
  • 「コスト削減できます」

代わりに、こう整理できるかどうか。

「クラウドは、コストを下げるわけありません。

ただし、使い方を調整できる余地が大きくなる選択肢です。」

この一言が言えるだけで、

  • 過剰な期待を抑えられる
  • 後から揉めにくくなる
  • 現実的な設計の話に進める

ようになります。

さいごに

クラウドは、

安くなるかもしれないし、高くなるかもしれない

でもそれは、

選択と運用の結果

この前提が腹落ちしていれば、
次に出てくる

  • 料金体系
  • 見積もり
  • FinOps

の話も、感情論ではなく判断の話として扱えるようになります。

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