ITの話題になると、
現場でも経営層でも、こんな期待が乗っかりがちです。
- ITを入れれば売上が上がる
- IT化すれば業務が良くなる
- ITが何とかしてくれる
でも、少し冷静に考えると、ここには大きなズレがあります。
ITは、本来そこまでの役割を担っていない。
この前提を一度きちんと整理しておかないと、ITの話はいつも「期待外れ」か「失敗談」になりがちです。
ITは「成果を出す存在」ではない
まず、はっきりさせておきたいことがあります。
ITは、売上や成果を直接生む存在ではありません。
営業が売上をつくり、現場が業務を回し、経営が意思決定をする。
ITは、そのどれにも直接は立っていません。
ITがやっているのは、
- 情報を集める
- 情報を整理する
- 情報を正しく、速く渡す
という 下支え だけです。
ITの本当の役割は「判断を支えること」
では、ITは何のために存在しているのか。
答えはシンプルです。
人が、より良い判断と行動をするため
ITは、
- 判断材料をそろえ
- 判断を速くし
- 判断ミスを減らす
ための 情報の土台 を作ります。
主役は、常に人です。

なぜITに期待しすぎてしまうのか
現場でITに期待が集まりすぎる理由は、ITが“変化点”として見えやすいからです。
「新しいツール」や「新しい画面」や「新しい言葉」が業務フローや判断ルールより、ITの方が目に見える。
だから、
何かが変わらない
→ ITを入れた
→ ITが悪いのでは?
という思考になりやすい。
でも実際は、
- 判断の仕方
- 役割分担
- 業務の前提
こうした部分が変わっていないケースがほとんどです。
ITは「目的」ではなく「手段」
ここで、ITの立ち位置をもう一段はっきりさせます。
- 売上を上げる
- 業務を回す
- 顧客満足を高める
これらは 目的 です。
ITは、それを実現するための手段の一つ にすぎません。
ITを目的化すると、こんな状態に陥ります。
- 使うことがゴールになる
- 導入しただけで満足する
- 成果が出ないと失望する

IT営業の会話では、どう使われるか
営業現場でよく聞く言葉があります。
「ITを入れて、何とかしたい」
このとき、いきなりITの話をすると、ズレます。
まず考えるべきは、
- 何を良くしたいのか
- どんな判断を速くしたいのか
- どんな業務を支えたいのか
その上で、
そのために、
ITはどこを支えるべきか
を一緒に整理する。
これができると、ITの話が「売り込み」ではなく相談に変わります。

ITを正しく期待できると、会話がラクになる
ITを「裏方」として理解できると、
- ITに過剰な期待をしなくなる
- 失敗談に振り回されなくなる
- AIやDXの話題でも冷静でいられる
ようになります。
「ITが何とかする」ではなく、
人が判断し、
ITがそれを支える
この関係を説明できる営業は、かなり安心感があります。
この知識の立ち位置
「ITは何のために存在しているのか」は、IT知識というより 姿勢の話 です。
- ITは主役ではない
- ITは裏方
- ITは目的ではなく手段
この前提が腹落ちすると、
- IT導入の話が整理できる
- ツール売りから抜け出せる
- 次に出てくるクラウドやAWSの話が自然につながる
地味ですが、IT営業として確実に効いてくる考え方です。
次の記事では、この前提を踏まえて「ITを入れれば良くなる、という誤解」を扱っていきます。
ここまで理解できていれば、ITに振り回される側では、もうありません。

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