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4. ITを入れれば良くなる、という誤解

4. ITを入れれば良くなる、という誤解

ITの話になると、現場でも経営層でも、こんな言葉が自然に出てきます。

「ITを入れれば、業務は良くなるはず」

この考え方自体が、悪いわけではありません。
ただし、この前提をそのまま信じて進むと、かなりの確率でズレが生まれます。

そして数ヶ月後、よく聞く言葉がこれです。

「結局、あまり変わらなかった」
「IT導入って、意味あったんですかね?」

目次

IT導入と業務改善は、イコールではない

まず一番大事なことから。

IT導入=業務改善」ではありません。

ITは、あくまで技術です。
業務改善は、仕事のやり方そのものを変えること

この2つは、同じ方向を向くことはあっても、自動的につながるものではありません。

なぜ「ITを入れたのに変わらない」が起きるのか

現場で起きていることを、冷静に分解するとこうです。

  1. ITは新しくなった
  2. 画面もツールも変わった
  3. でも、判断の仕方は同じ
  4. 業務フローも人の動きも同じ

つまり、変えたのはITだけで、業務は何も変えていない。この状態。

ITが悪いわけではありません。
変えるべきところが変わっていないだけです。

整理されていない業務は、ITで悪化することもある

ここは、あまり語られないけど重要な話です。

業務がもともと、

  • 誰が何を判断するか曖昧
  • 例外対応が多い
  • 暗黙のルールで回っている

こうした状態のままITを入れると、
問題が表に出るだけになります。

ITは、

  • 曖昧さを許さない
  • 例外処理が苦手
  • ルールを前提に動く

だから、

ぐちゃっとした業務 × IT
→ ぐちゃっとしたまま、しかも見える化される

という現象が起きます。

「悪化した」と感じる正体は、隠れていた問題が見えるようになっただけというケースも多い。

ITに期待しすぎると起きるズレ

ITに過剰な期待が集まる理由は、ITが“変化点”として分かりやすいからです。

  • 新しいツール
  • 新しい契約
  • 新しい画面

一方で、

  • 業務フロー
  • 判断基準
  • 役割分担

は目に見えにくい。

だから、

変わらなかった
→ 目に見えるITが原因
→ IT導入は失敗

という短絡的な評価になりやすい。

でも実際は、ITに期待しすぎただけというケースがほとんどです。


IT営業の会話では、どう使われるか

営業の立場で、この知識が一番効くのはこの場面です。

「ITを入れたんですけど、正直、あまり効果が出ていなくて…」

このとき、

  • 別のツールを提案する
  • 機能追加の話をする

前に、まず確認すべきことがあります。

  • 業務のやり方は変えましたか
  • 判断ルールは整理されましたか
  • ITを使う前提は共有されていますか

ここを一緒に整理できる営業は、「売りに来た人」ではなく「一緒に考える人」になります。

この知識の立ち位置

「ITを入れれば良くなる、という誤解」は、ITそのものの話ではありません。

  • 期待の置き方
  • 変える順番
  • 見るべきポイント

を整理するための知識です。

この前提を押さえておくと、

  • IT導入が失敗に見えにくくなる
  • 無駄なツール入れ替えが減る
  • DXやAIの話題でも冷静でいられる

地味ですが、IT営業として確実に効いてくる考え方です。

ここまで理解できていれば、ITに振り回される側から、整理する側に一歩近づいています。

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